働き盛りのためのスキップフロアの家。
動線を整理して、日常が楽しく、ラクになる家になりました。
建主は若い働き盛りの30歳。
仕事を軸とする多忙な平日と、できるだけ家で過ごす休日
というはっきりとしたライフサイクルがあり、
またその時住んでいたマンションのプランと生活動線の不一致さを語っていました。
設計序盤、いつものライフサイクルを生活行為として整理し、
生活の深度という視点で並び替える作業を建主と行ってみました。
行為としての日常を見直し、並べなおすことで、
生活行為を繋がりある一連の断片として配置しなおす。
生活行為をコマとして置き換え、4コマをずらすように重ね、10コマを繋ぐ。
段床を巡廻することで、各コマで変化のある景色を作り出していく。
中心性のある田の字ではなく、コマの連なりとしてのシークエンスを意識し、
1コマには1機能 1窓を原則して配置しました。
隣のコマの窓は次への展開への補助線となるよう配置し、
一連の段床とコマの変化を通して、
室内における移動する楽しさへと繋がるよう意識しました。
深度を持った断面は雑把に分けると3層からなります。
生活の深度を重層した住宅は
日常のシークエンスを内包する家になったように思います。
そしてそのシークエンスに寄り添うひとつ一つの開口部が、
外部にもたらす建築の表情として表れ、街と呼応する住宅になりました。
主要用途 :一戸建住宅
構造規模 :木造 一部RC造 地下1階 地上2階建
敷地面積 :100.05㎡
建築面積 :47.95㎡
延床面積 :107.78㎡ (テラス含めて119.37㎡)
用途地域 :近隣商業地域、第一種低層住居専用地域(50%,116%)
防火地域 :準防火地域
設計期間 :2018.08~2019.03
工事期間 :2019.04~2019.09
所在地 :東京都三鷹市
設計監理 :TAIMATSU
共同設計 :溝部礼士(溝部礼士建築設計事務所)
構造設計 :辰巳雄一(studio83 一級建築士事務所)
施工 :株式會社 山菱工務店