周辺はカラマツをはじめとする木々が林となった平坦な土地で、北方向に離山を望む。大きな正方形の建物の中心に、小さな正方形の櫓をヒノキの大黒柱で高々と持ち上げるように据えた。上部の書斎は高窓を通して周囲の林を、吹抜けを介して階下と庭を一望する望楼であり、下部にはキッチンを配置している。この櫓を中心として、家族が集まるダイニングとリビング、そして寝室などの諸室を螺旋状に配置している。屋根は、対角線を棟とした大小二枚の正方形から構成されている。大屋根の上に小屋根を浮かべて二枚の屋根の間を高窓とし、建物の中央から室内に光が溢れるようにしている。大屋根、小屋根ともに化粧垂木顕しとし、直行する二枚の屋根の構造を表現している。
DATA
所在地: 長野県北佐久郡軽井沢町
主要用途: 別荘
構造・構法: 木造
階数: 地上2階
敷地面積: 1,711.08m2
建築面積: 170.23m2
延床面積: 225.21m2
設計担当: 武富恭美
構造設計: 空間工学研究所
設備設計: 三信建設
竣工: 2008年7月