創業70年の大香が設立したリヴィング ウィズ センツ初のブランド「暮らしの香り」のメインストア内装計画。銀座ガス灯通りに面した場所に、『日々の暮らしに寄り添う香り』という新ブランドに込めた想いを訴求する空間が求められた。やさしく包み込むような香りを表現したロゴのラインを手掛かりに、香りという⽬に⾒えないものを扱う空間を体現した。
カシミヤカーペットが敷かれた床が、硬い路面からの来客をやさしく迎え、帯のようにおおらかな曲線を描くペイルグリーンの壁は、柔らかい質感で店舗空間を包みこみ、荒々しいスケルトン天井とコントラストを描く。壁面には薬棚を思わせるグリッド状の商品棚と、有機的なフォルムのニッチ棚を設えた。点在する3 台のオーク材のテーブルが、丸みをおびた形状で客を店内の奥へと導き、流動的な店内動線を実現する。メインテーブルには、山中湖の森の中にあるアトリエで製造されたオリジナルフレグランス全30 種がガラスポットに収められて並ぶ。しぐさが美しく見える配慮がなされたガラスポットの形状や、店内に漂う香りが、香りを体験するプロセスにこだわるブランドの姿勢を表している。
寄り添う香りをテーマに、ブランドを象徴する色彩の中に、自然のぬくもりを感じる素材や曲線を取り入れ、銀座という⽴地にふさわしい上質でたおやかなイメージの空間を目指した。
主要用途: 物販店舗
施工: D.BRAIN
クレジット: ブランディング:ライトパブリシティ/照明計画:BRANCH LIGHTING DESIGN
所在・会場: 東京 銀座
延床面積: 60.49㎡
設計期間: 2021.05-2021.11
施工期間: 2021.7-2021.11
写真: 太田拓実
ウェブサイト: https://www.kurashinokaori.com/