スヌーピーファンの聖地、アメリカ ・ カリフォルニア州にあるチャールズ M. シュルツ美術館。その世界初のサテライトとして誕生した、スヌーピーミュージアムの建築の設計監修と内装設計を手掛けた。約3年の期間限定であることと、六本木という都心でありながら緑豊かな環境という条件の下、施設全体でキャラクターの世界観を感じられることが求められた。
敷地を囲む既存の古い煉瓦壁に呼応して、カリフォルニアをテーマにした植栽が並び、スヌーピーの世界への入り口として来場者を出迎える。
同施設の主な機能となるギャラリーは、大きく3つのゾーンに分かれ、5つのディスプレイボックスが空間を柔らかく切り分ける。このボックスは半年ごとの企画展示毎に、配置や形態を変えて空間を一新させる。
ギャラリーの先はショップ「BROWN’S STORE」があり、4.5mある天井高を活かした壁面什器とコミック「ピーナッツ」に描かれているような樹形のシンボルツリーで印象付ける。手づくり感のある店、というクライアントの要望から、積層合板の小口を見せるディテールや、シンプルな構造のスチールフレームによる什器による構成とした。
ショップの先にある「Cafe Blanket」では、「ピーナッツ」にちなんだメニューが提供される。店名と同様、ライナスの毛布を連想させるブルーのロングテーブルをシンボルに、テラス席のレンガや、それに同調するような木の仕上げと壁面色で、落ち着きのある店内空間とした。
ギャラリーやショップ、カフェに限らず、施設全体をスヌーピーのための展示空間と捉えて、キャラクターたちと出会える仕掛けを施し、訪れる度に発見のある空間を目指した。
主要用途: 美術館
施工: 建築：住友不動産シスコン／内装：ブランコ
クレジット: ギャラリー ディレクション：草刈大介(ブルーシープ)／ ショップ& カフェ ディレクション：ソニー・クリエイティブプロダクツ／グラフィック：祖父江慎+cozfish／アニメーション：ロボット／建築設計：森ビル／照明計画：大光電機／植栽：SOLSO／家具：アスプルンド
所在・会場: 東京 六本木
敷地面積: 3016㎡
延床面積: 1475㎡
規模: 地上1階
構造: 鉄骨造
設計期間: 2015.04-2016.04
施工期間: 2015.08-2016.04
写真: 阿野太一
ウェブサイト: http://www.snoopymuseum.tokyo/
