渋谷区全域を放送エリアとするコミュニティFM局「渋谷のラジオ」の放送スタジオ内装計画。同局はクリエイティブディレクターの箭内道彦が立ち上げ、渋谷に縁ある豪華アーティストや俳優、文化人がパーソナリティとしてラインナップされる。地域コミュニティの可能性とラジオの概念を大きく広げることを目的に、「ダイバーシティ、シブヤシティ」をキーワードに多様な人が集まる「ラジオの学校」としての場を求められた。
渋谷駅周辺の再開発に伴ってできる、駅から延びる通り沿いに位置し、前面道路に面した環境から、街に近い開放的なスタジオを目指した。大きな扇形のテーブルを中心に設え、傾斜した壁で囲まれたスタジオでは、掘りごたつのようにテーブルを囲み、ゲストが並んで座ることができる。また、この放送局では市民ファウンダーを募り、その名前を壁面の木札に掲げることで、徐々に地域に定着していくことを目指している。同局は、扇形平面のメインスタジオの他、収録放送のためのスタジオと、出演者の控え室で構成されている。
扇形のテーブルは、街の中へ延長する大きな円卓を感じさせ、放送時にスタジオを取り巻く人も、そのテーブルを共有して、番組に参加しているような感覚を与えている。街との接点となるスタジオを介して、コミュニティとしてのラジオ放送局を具現化できればと考えた。
主要用途: 放送スタジオ
施工: イシマル/クラッセ
クレジット: 運営:NPO法人CQ/キャラクターデザイン:寄藤文平
所在・会場: 東京 渋谷
延床面積: 46.39m2
設計期間: 2015.07-2016.01
施工期間: 2016.01-02
写真: 吉次史成
ウェブサイト: https://shiburadi.com/