六本木ヒルズアリーナで開催された、酒造りが最盛期となる時期に、できあがったばかりの日本酒を味わえるイベントの会場構成。元サッカー日本代表の中田英寿が企画プロデュースするイベントで、芸術的な繊細さで作られる日本酒や焼酎を「CRAFT SAKE」と称し、日本を代表する有名酒蔵100蔵が日替わりで10蔵ずつ出店する。真冬の寒い時期でありながら、夏祭りのような活気のある場所が求められた。
そこで、シンボルとして広場の中心に90角の国産の杉材でできた大きな櫓を立て、その周囲で人々が日本酒を楽しみながら会話ができるよう、同心円状にハイテーブルを配置した。さらにその周りを、日本酒を提供するブースとキッチンカー、イベントを演出するDJブースが取り巻く、求心的な空間構成とした。木組みの櫓には、参加酒造の酒樽が置かれ、日本酒のための場を演出する。櫓の頂部からは、今回参加している100の日本酒の銘柄が書かれた提灯を吊るし、広場に祝祭感を与えている。広場には石巻工房で製作した照明付きのテーブルやベンチ、トラフのデザインしたAA STOOLで滞在できる場をつくり、賑わいのある酒場となるよう計画した。
来場者が中央の櫓を囲んで集まることで、一体感を感じられるような場を目指した。
主要用途: 展示会場構成
構造設計: 森部康司+須藤崇
施工: イシマル/昭栄美術
クレジット: 主催 :JAPAN CRAFT SAKE COMPANY/グラフィック :高い山/家具 :石巻工房
所在・会場: 六本木ヒルズアリーナ
延床面積: 1120.00 ㎡
設計期間: 2015.12-2016.02
施工期間: 2016.02.03-02.04
写真: 太田 拓実
ウェブサイト: http://craftsakeweek.com/