2014 / Private house / Tokyo
大きさの異なる5つのハコを敷地中央に並べ、周辺環境と家族の暮らしを読み込みながらそれらを丁寧にずらしていきます。するとそこに小庭が生まれ、朝陽が差し込み、涼しい風が抜け始めます。同時に空間を横断する大きな木板は、床との距離から食卓となり、調理台となり、座卓となり、机となり、椅子となります。
こうして暮らしと環境が様々な距離で結ばれ、それらが一つの住宅にやわらかく編み込まれていきます。ずらすという単純な操作によって、家具というスケールから自然環境というスケールまでが途切れる事なく繋がり、建築の内外をやわらかく溶かしていきます。距離という住宅にとって極めて根源的なものを見つめなおすことで、そこに新しさと豊かさがもたらされると考えています。