前面道路は、駅へとつながる交通量の多い西側道路です。
計画は、敷地外周に沿ってコンクリートの擁壁を造り、その上に鉄骨の箱を載せたような構成です。
鉄骨の箱の下は、駐車スペースと玄関アプローチ、載せた箱が住居部分となります。鉄骨の箱(住居スペース)は、道路側からの騒音と西日を防ぐため開かず、箱の南側をV字型に開きました。
V字に開いたところには中庭デッキテラスを設け、リビングとダイニングキッチンが外部を挟んで繋がる明るいプライベートスペースを確保しました。
プライベートスペースは開放的ですが外部からは見えず、すべての部屋が内側の中庭デッキテラスに開き、家族のコミュニケーションが取れるようになっています。
また、中庭デッキテラスにはFRPグレーチングを敷き、そこを通り抜ける柔らかい光が玄関アプローチを演出するように計画しました。
設計担当:納谷学、高橋正嘉
構造設計:かい構造設計 寺門規男
施工会社:沖島工業 田辺
構造形式:地下1階 RC造、1・2階 鉄骨造
規 模:地下1階、地上2階
延床面積 : 200.50m² (60.65坪)
地階面積 : 68.20m²(20.63坪)
1階面積 : 65.20m²(19.72坪)
2階面積 : 67.10m²(20.30坪)
受賞歴 :
第7回あたたかな住空間コンペティション新築の部 準優秀賞
掲載誌 :
『ゆか monthly 6』
『MODERNLIVING No.161』
『東京カレンダー6月号』
『Lives 2005.04/05』
『デザインハイクオリティー住宅』
『99人のデザイナーとつくる未来の本』
西側道路からの騒音と西日を遮り、プライバシーを守るため窓を上部に連続水平窓を設けました。
箱の下は、広い駐車スペースと玄関アプローチです。上部からの光が奥に導きます。
玄関アプローチには、上部のデッキテラスから木漏れ日のような柔らかい光が落ちます。
玄関の床はカーペット、天井は外部と連続するガルバリウム鋼板です。右側の光る壁の向こうは、洗面脱衣と浴室です。
V字型に開いた建物の間は、中庭デッキテラス。右側はリビング、左側はダイニングキッチン。内側に開いた開放的な空間となっています。
リビングのコーナーから中庭デッキテラス方向を見ます。V字のヒンジの部分でキッチンと繋がります。
ダイニングの窓際から中庭デッキテラスを見ます。サッシを開放すると、リビングと繋がります。
ダイニングのコーナーから中庭デッキテラスを見ます。右側には、書斎コーナーを設けました。
オープンキッチンは、カウンターからダイニングテーブルへと連続します。
FRPの浴室です。左側の壁は断熱性の高いポリカーボネートで、玄関からの光を通します。
個室は、外部を挟んでメインベットルームと向かい合っていますが、V型に角度が触れてズレているので適当なプライバシーが保たれます。
個室は、建具で2部屋に分割できたりフレキシブルに対応できます。